古いものの魅力を活かして作る新しい空間
2020.11.30

大阪本町に建築事務所を構える空間設計代表の伊阪さんと前田さんにお話を伺いました。住宅から店舗、ビルなどのリノベーションを中心に手掛けておられ、サンワカンパニー商品もたくさん使っていただいています。


古さを活かして新しい空間をつくる
―空間をつくるうえでのこだわりを教えてください。
伊阪:できるだけ古いものを活かした空間づくりをしたいと思っています。リノベーションの場合なら、全て新しくするのではなく、あえて古い部分を残しながら、それがより魅力的に見えるよう少し手を加えます。
いちから新しいものを作る場合でも、廃材などを使って、古いものを取り入れることが多いです。
前田:例えばこの部屋も私たちがリノベーションしたのですが、床はもとあったタイルを剥がしっぱなしの状態にして、古いコンクリートの風合いを残しています。耐久性を高め少し光沢を出すために、ワックスだけ塗りました。

取材に伺った事務所ビルのフリースペース
―古いものの魅力は、どんなところでしょうか。
伊阪:単純に、古いものがかっこよく見えるんです。古いものって、長年蓄積されたキズや汚れがおもしろいですし、タイルなんかは、昔に作られたものの方が、ユニークで味のあるものが多いように思います。古いものと、新しいプロダクトを組み合わせることで、唯一無二の斬新な空間を作りたいと考えています。
それに日本は特に、作っては壊し、壊しては作るの繰り返しですよね。もっと古いものを尊重して、できるだけ犠牲にせず活かしたいと思っています。
サンワカンパニーさんの商品は、シンプルで素材の特徴を活かした商品が多いので、味のある古いものとの相性がすごくいいんです。特にステンレスの商品がよく合いますね。

天井はあえてそのままに。ステンレス製の ≪コンパクトキッチン430≫ と相性抜群です。

むき出しにしたコンクリートに洗面台 ≪デリエレ洗面カリッサ≫ 、 ≪フィクサーカラー水栓≫ 、 ≪フィーネミラー≫ の組み合わせ
―なるほど。だからサンワカンパニーの商品をたくさん採用いただいているのですね。
伊阪:はい、サンワカンパニーさんのモノづくりの考え方にはとても共感を覚えています。余計な線が出ないよう緻密に設計されている。素材を活かした潔さが良いと思います。
前田:私たちも、自分たちで家具や小物を作ることがあります。この机も作ったのですが、つなぎ目ができるのが嫌で、一枚の鉄板を曲げて形にしているんです。
キッチンも造作したことがありますが、実はサンワカンパニーさんの商品を見て、構造など参考にさせてもらいました(笑)。
レンジフ―ド≪ミニマル≫のとことんシンプルなフォルムがお気に入り
―サンワカンパニーで、特にお気に入りの商品は何ですか?
前田:レンジフードの≪ミニマル(※)≫です!とにかくシンプルで無駄がない。どんな空間にも合わせられます。しかも価格も安いので驚きですよね。
ただ私たちがよく手掛けている築年数の長い集合住宅のリノベーションでは、高さが合わないことが多々あります。昔の集合住宅は天井高が低いので、≪ミニマル≫を設置するとコンロからの距離が十分に取れません。もっと低くて見た目の良いレンジフ―ドがあればいいのにな思います。

レンジフ―ド≪ミニマル≫を使用いただいた事例。キッチンは ≪グラッド 45≫
―今後、御社としてやってみたいこと、作ってみたい空間があればお聞かせください。
伊阪:ビルの屋上利用を増やしていきたいと考えています。屋上って、都会の中でも気軽に自然の解放感を感じられる場所だと思います。そして人が集うコミュニティ作りの場として使うこともできます。
大阪市内を見渡すだけでも、屋上が使われていない雑居ビルがたくさんあります。こうしたビルを改修し、屋上利用を増やしていけたらいいなと思っています。
※現在≪ミニマル≫は廃版。後継品は ≪ミニマルプラス≫ 。
【取材後の感想】
建物の古さが活かされた趣のある空間が素敵でした。サンワカンパニーの商品も、ショールームで見るイメージとはひと味違って見えます。古さと新しさの掛け合わせによって、どちらの良さも際立ち、唯一無二の空間が出来上がるのが印象的でした。
今回取材させていただいたお客様
この記事に登場した商品